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金属技術史

木目金の作り方

3.1  木目金作家の接合法と工業生産接合法との比較

 金属を接合するには、接合面の清浄化と密着化が必要です。各種金属板を積層接合する際のポイントは、次のようになります。(A)には木目金作家の接合、(B)には工業設備での接合の模式図を書いています。

model

 木目金作家の接合(A)では、還元ガス雰囲気中での作業です。還元炎に曝される銅合金は還元されます。しかし、還元炎に曝されない積層接合体ブロックの領域では、酸化します。大気の巻き込みもあり、完全に酸化を防止することは困難です。積層接合体ブロックの温度が上昇して、部分的な溶融が始まります。接合体端部にこの「液相」を確認しますと、直ちに加熱を止め、引き続き積層接合体ブロックの熱間鍛造を行います。

 例えば、銀と銅の接触部では、780℃で溶融を開始します。銀の融点は961.93℃、銅の融点は1084.87℃ですが、異種金属の接触部では、かなり低い温度で溶融します。異種金属の接触部での融点は、金属の組み合わせによって異なります。銀と銅の溶融を確認後、そのまま加熱を続けますと、銀と銅が均一に混ざり合った液体の合金となります。部分的に溶融が始まり、木目金用の積層ブロックを制作できなくなります。下の写真が溶融した銀と銅の積層体ブロックです。

no bonding

部分溶融した積層体ブロック

 木目金地金の制作のポイントの一つに、「何度℃まで積層体ブロックを加熱するか」があります。接合界面で部分溶融が発生した状態で、積層接合体ブロックを加熱装置から取り出して、熱間鍛造します。熱間鍛造では積層体が扁平に延ばされて、金属同士の接合部の面積が増加することになります。
 つまり、木目金作家の方法では、還元炎で加熱して「仮の積層接合体ブロック」を作成し、この「仮の積層接合体ブロック」を熱間鍛造で接合部を完全化すると考えることができます。このような木目金作家の手法は、熟練を必要とします。

 一方、工業的生産法(B) での金合金(ダイヤゴールド)の接合は、真空装置内で加熱加圧しています。その接合条件を見ますと、接合温度:700℃で、接合圧力:10MPa(kg/mm2)です。小さな積層接合体では、板厚1mmで、幅10mm, 奥行き30mmの板材です。この接合体の接合に、3tonもの大きな接合荷重を加えていることになります。金合金は、700℃で接合できるようです。工業的生産では、真空中での接合プロセスですから、接合面は酸化しません。また、大きな加圧力での接合ですから、接合界面に空隙などの接合欠陥も発生しません。この接合プロセスで接合部が完全化します。

 

 

 

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